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中耳炎と外耳炎

〜起こる場所・症状・治療の違い〜

「夜中に急に耳を痛がって泣き出した」「呼んでも返事をしにくい…」そんなとき、お子さまの耳の中で何が起きているのでしょうか?代表的な耳の病気である中耳炎と外耳炎について、分かりやすくまとめました。

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1なぜ子どもは「耳の病気」になりやすいの?

子どもの耳は、大人に比べて「耳と鼻をつなぐ管(耳管:じかん)」が太く、短く、水平に近い形をしています。そのため、鼻から耳へ、菌やウイルスが入り込みやすいのです。

耳の断面の図。外耳炎は耳の穴の炎症、中耳炎は鼓膜の奥の炎症。子どもの耳管は短く水平で、鼻・のどから菌が入りやすい
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耳の断面の図。外耳炎は耳の穴の炎症、中耳炎は鼓膜の奥の炎症。子どもの耳管は短く水平で、鼻・のどから菌が入りやすい

2中耳炎の3つの種類と症状

中耳炎にはいくつかタイプがあり、症状や対処法が異なります。

① 急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)急な痛み・発熱

どんな病気?風邪や鼻炎などをきっかけに鼻の菌が中耳に入って炎症を起こす病気です。

  • チェック:耳を激しく痛がる・大泣きする(言葉が話せない赤ちゃんは、しきりに耳に手を当てる・夜泣きする)
  • チェック:38℃以上の発熱が出ることがある
  • チェック:膿がたまると鼓膜が破れて「耳だれ(耳漏)」が出ることがある

② 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)痛くない・難聴

どんな病気?急性中耳炎が治りきらなかったり、鼻づまりが続くことで、鼓膜の奥にサラサラまたはネバネバした水(滲出液)がたまる病気です。

  • チェック:痛みや熱はありません。そのため気づかれにくいのが特徴です
  • チェック:「呼んでも返事をしない」「テレビの音を大きくする」「聞き返しが多い」
  • チェック:放っておくと聞こえが悪くなり、言葉の発達や集中力に影響することがあるため、根気強い治療が必要です

③ 反復性中耳炎(はんぷくせいちゅうじえん)何度もくり返す

どんな病気?急性中耳炎が短期間に何度も(半年で3回以上など)くり返し起こる状態です。保育園・幼稚園に通い始めた乳幼児に多くみられます。

  • チェック:鼻水が長引くとなりやすいため、鼻のケア(吸引・治療)が予防のカギとなります
  • チェック:鼻水の中にいる細菌を検査し、その種類に応じて抗生物質を服用することが大切です

3外耳炎(がいじえん)とは? 中耳炎との見分け方

外耳炎は、鼓膜の手前にある「耳の穴の通り道(外耳道)」に傷がつき、細菌が入って炎症を起こす病気です。

中耳炎と外耳炎の簡単な見分け方

中耳炎

痛む場所・原因
耳の奥。風邪・鼻水が原因。プールやお風呂など。
見分けるポイント
鼻水や咳を伴うことが多いです。

外耳炎

痛む場所・原因
耳の穴(入口付近)。耳掃除のしすぎ、プールやお風呂など。
見分けるポイント
耳たぶを軽く引っ張ったり、耳の入口を押すと痛がるのが特徴です。

※耳掃除はお風呂上がりに「入口の水分をタオルで拭き取る」程度で十分です。綿棒を奥まで無理に入れないようにしましょう。

主な治療のちがい

急性中耳炎

主な治療
軽い場合は痛み止めを使いながら様子をみます。症状が強い時は飲み薬(抗生物質)を使います。膿がたまって痛みや熱が強いときは、鼓膜を少し切って膿を出すことがあります。

滲出性中耳炎

主な治療
鼻の治療や通気を行います。長く治らず聞こえに影響する場合は、鼓膜に小さな管(チューブ)を入れることがあります。

反復性中耳炎

主な治療
鼻水のケアをこまめに行うことが基本です。鼻の中の細菌の種類によって効果の高い抗生物質を使います。

外耳炎

主な治療
耳の中をきれいにして、耳に入れる薬(点耳薬)やぬり薬を使います。必要に応じて痛み止めや抗生物質を使います。

※治療の内容はお子さまの状態によって変わります。くわしくは医師の説明にしたがってください。

4お家でできるケアと受診のポイント

夜中に突然「耳が痛い!」と泣き出したときの応急処置

  • 耳の周りを冷やす: 痛む耳の後ろや耳の下を、冷たいタオルや保冷剤(タオルで巻いたもの)で冷やすと痛みがやわらぎます。
  • 頭を少し高くして寝かせる: 頭を高くすると耳への血流圧が下がり、ズキズキ感が軽くなります。
  • 小児用解熱鎮痛薬を使う: 以前に小児科などで処方されたアセトアミノフェン(座薬やシロップ)があれば、痛みを抑えるために使って大丈夫です。

※応急処置で落ち着いた場合も、必ず耳鼻咽喉科を受診してください。

治りを早める大切なホームケア

  • チェック:鼻を強くかんだりすすったりしない: 強くかんだりすすったりすると、鼻の中の細菌が耳の中に入ってしまいます。片方ずつ軽くかむようにしましょう。
  • チェック:お薬は最後まで飲み切る: 痛みが消えても、鼓膜の奥に菌や滲出液が残っていることがあります。自己判断で抗生剤などを中断しないようにしましょう。

耳を痛がったり、聞こえに違和感があるときは、早めにご相談ください。

当院のよくある質問

  • 中耳炎とはどんな病気ですか?

    中耳炎は中耳(鼓膜の内側にある空間)に炎症が起きる病気です。細菌やウイルス感染が原因で、耳の痛み・発熱・難聴・耳だれが主な症状です。急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎の3種類に分けられます。子供は耳管が短く未発達なため発症しやすい傾向があります。

  • 急性中耳炎の症状を教えてください

    急性中耳炎の主な症状は、耳の痛み、発熱、耳だれ、耳の詰まった感じ、聞こえが悪いなどです。痛みは夜間や横になったときに強くなることが多いです。子どもの場合は耳を引っ張る・泣き続けるといった行動が見られることがあります。

  • 急性中耳炎の原因は何ですか?

    風邪や副鼻腔炎などで生じた鼻水に含まれる菌やウイルスが、耳管を通って中耳に侵入することで発症します。3歳以下の子供の80%がかかると言われており、子供の耳管が太く・短く・水平に近いことが理由です。また、家庭内に喫煙者がいる子ども(受動喫煙)、保育園・幼稚園での集団生活、仰向けでの授乳もリスクを高める要因として知られています。

  • 急性中耳炎の治療方法を教えてください

    抗生剤と鼻水を抑える薬での治療が基本です。完治までに約5日から2週間程度かかります。膿がたまり鼓膜が腫れて痛みが強い、高熱が続く場合は鼓膜切開術(鼓膜に2〜3mm穴を空け膿を除去)を行うことがあります。

  • 滲出性中耳炎とはどんな病気ですか?

    滲出性中耳炎は鼓膜の奥の中耳腔に滲出液という液体が貯留する病気です。幼少児の難聴の原因として最も多く、4〜5歳から小学校低学年に多くみられます。耳痛や発熱がほとんどなく難聴も高度ではないため、子供の場合は気付きにくいです。

  • 滲出性中耳炎の原因は?

    風邪や急性中耳炎の後に起こることが多く、鼻・副鼻腔・のどの炎症、幼少児のアデノイド肥大、成人では鼻咽腔の腫瘍、飛行機やダイビングなどの急激な気圧変化が原因となります。

  • 滲出性中耳炎の治療方法は?

    鼻・副鼻腔・のどの炎症を一緒に治すことが大切です。重症の場合や繰り返し発症する場合は、鼓膜にチューブを入れて中耳を換気する手術(鼓膜換気チューブ留置術)や、耳管通気療法、鼓膜切開を行います。放置すると癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎に移行する可能性があります。

  • 慢性中耳炎とはどんな病気ですか?

    慢性中耳炎は中耳腔に慢性的な炎症があり、持続性・反復性の耳だれが生じる状態です。鼓膜や耳小骨に異常があるため聞こえが悪くなります。鼓膜に穿孔のある「慢性単純性中耳炎」と鼓膜が中耳腔の壁にくっつく「癒着性中耳炎」に大別されます。

  • 慢性中耳炎の症状・治療方法は?

    症状は耳だれの繰り返し、混合性難聴、めまい・耳鳴り・頭痛・まれに顔面神経麻痺などです。治療は抗菌薬の点耳薬・内服薬、鼓室形成術による鼓膜修復、真珠腫がある場合は手術での切除が必要です。

  • 中耳炎の予防方法を教えてください

    手洗いやうがいでウイルス・細菌感染を予防することが大切です。インフルエンザワクチンや、子供の場合は肺炎球菌(PCV)ワクチンの接種も効果があります。

  • インフルエンザの予防接種は受けられますか?

    インフルエンザワクチンの接種を行っております。お子様は1歳以上から接種可能です。今シーズンは10月2日(金)から、診療日に接種しています。ご予約は窓口、またはお電話で承ります。WEB(オンライン)からは予防接種のご予約はできません。費用は、65歳以上で市原市にお住まいの方(市の助成対象)が1,500円、それ以外の大人が3,500円、お子さまは1回3,000円です。鼻にスプレーするタイプのワクチン「フルミスト」(2〜18歳、1回8,000円)も接種できます。接種時間と予診票は「インフルエンザ予防接種のご案内」をご覧ください。電話:050-1792-3387

  • 聴力検査は受けられますか?

    はい、聴力検査・通気検査などを実施しております。事前予約は不要ですが、遅い時間帯は検査が難しい場合がございますので、お早めにお越しください。WEB問診をご利用の際は、その旨ご記入ください。WEB予約:https://medical.apokul.jp/web/688/reservations/add(新しいタブで開きます)

  • 鼻カメラ(ファイバースコープ)は痛いですか?子供でも受けられますか?

    当院では鼻・喉の内視鏡検査(ファイバースコープ)を実施しております。細いスコープを使用し検査時間も短いため、ご負担は最小限です。お子様(乳幼児)にも対応しており、必要に応じて麻酔スプレーを最小限使用しながら、お子様の負担に配慮して行います。

  • 鼓膜切開やチューブ留置の手術は院内でできますか?

    当院では鼓膜切開、鼓膜チューブ留置、鼻茸切除などの処置・手術に対応しております。詳しい対応範囲につきましては受付までお問い合わせください。

  • 子供の鼻水吸引はできますか?

    はい、お子様の鼻水の吸引を行っております。お気軽にご相談ください。

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院長 蔵内 隆秀

このページの内容について

蔵内医院 院長 蔵内 隆秀

日本耳鼻咽喉科学会専門医・補聴器相談医・医学博士

このページの内容は、当院の院長が確認した説明をもとにしています。

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