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扁桃炎の基礎知識と症状

1扁桃炎(扁桃腺の炎症)とは?

口を大きく開けたとき、のどの奥の両脇にある「こぶ」のような部分を「口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)」と呼びます。

扁桃は、口や鼻から侵入してくるウイルスや細菌をブロックする「免疫の関所(ガードマン)」です。ただし、防御としての役割は5歳から7歳ごろまでにほとんどなくなります。

疲れや乾燥、風邪などで抵抗力が落ちると、病原菌が扁桃で急増して炎症を起こします。これが扁桃炎です。

口の奥(のど)の図。正常な扁桃と、白い膿が付いて赤く腫れた扁桃
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口の奥(のど)の図。正常な扁桃と、白い膿が付いて赤く腫れた扁桃

💡 悪化すると赤く大きく腫れ上がり、白いうみ(膿栓・白苔)が付着することがあります。

2主な症状(風邪との違いに注目!)

扁桃炎は、一般的な軽い風邪と比べて「のどの痛みが非常に強い」「急に高い熱が出る」のが特徴です。

典型的な自覚症状

  • チェック:激しいのどの痛み(つばや食事を飲み込むのがつらい)
  • チェック:38℃〜40℃の高熱、悪寒(さむけ)
  • チェック:首のリンパ節の腫れと押したときの痛み
  • チェック:全身のだるさ(倦怠感)、関節痛、頭痛

口の中に見られる変化

  • チェック:扁桃が真っ赤に腫れ上がり、のどが狭くなる
  • チェック:扁桃の表面に白いブツブツや膿(膿栓・白苔)が付く
  • チェック:耳の奥まで響くような痛みを感じる
  • チェック:口臭が強くなることがある

⚠️ 年代別:見逃しやすい注意サイン

お子さま(小児)のサイン

「のどが痛い」と言えないことがあります。「急にごはんや水分を嫌がる」「よだれを飲み込まずに垂らす」「不機嫌でぐったりしている」ときは、のどの奥をチェックしましょう。

ご高齢の方(シニア)のサイン

免疫の反応が弱く、高熱が出ないまま重症化することがあります。「なんとなく元気がない」「食欲がない」「むせやすい(誤嚥)」といった小さな変化に周囲が気づくことが大切です。

3原因となる病原体(細菌とウイルス)

扁桃炎の原因は細菌性とウイルス性があります。

主な原因

🧫 細菌性 扁桃炎
A群溶連菌 その他のレンサ球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌
🦠 ウイルス性 扁桃炎
アデノウイルス(プール熱など) EBウイルス、ライノウイルス、RSウイルス

特徴的な症状

🧫 細菌性 扁桃炎
せき・鼻水は少ないです。急激な高熱とのどの猛烈な痛みがあります。しばしば白い膿(膿栓)が付着します。
🦠 ウイルス性 扁桃炎
せき、鼻水、結膜炎(目の充血)など風邪症状を伴うことが多いです。EBウイルス感染(伝染性単核球症)では扁桃の白苔をともなう強い腫れ、高熱、肝機能障害などがしばしば起こります。

治療の基本

🧫 細菌性 扁桃炎
抗菌薬(抗生物質)の内服が必須となります。原因菌を退治し、合併症を防ぎます。
🦠 ウイルス性 扁桃炎
抗菌薬(抗生物質)は直接効きません。解熱鎮痛薬などで症状を抑え、自己免疫で治します。二次感染(抵抗力が落ちた状態で、重ねて細菌などに感染する)を起こしたときには、抗菌薬を使う場合もあります。

4病院での主な検査

細菌培養検査(のどの綿棒検査)

綿棒でのどの粘液を採取して原因菌を特定し、どのお薬(抗菌薬)が効くかを詳しく調べます。

血液検査(必要に応じて実施)

白血球の数や炎症の強さ(CRP値)などを調べ、炎症の種類や重症度を判定します。

☆当院では自動血球計数CRP測定装置を導入しており、少量の血液から約5分で判定可能です。

5治療方法

① 抗菌薬(抗生物質)の服用細菌性の場合

抗菌薬(抗生物質)を内服します。細菌をしっかり退治することで熱や痛みが速やかに引いていきます。

② 対症療法(症状をやわらげるお薬)共通

解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど): 熱を下げ、のどの痛みを緩和して水分や食事を摂りやすくします。

うがい薬・トローチ・漢方薬: のどの局所の炎症を鎮め、清潔に保ちます。

【保護者・患者の皆様へ】 抗菌薬は途中で絶対にやめないでください!

熱が下がって痛みが消えても、体の中にはまだ細菌が残っています。自己判断で薬を中断すると、再発したり、菌に薬が効かなくなる「耐性菌」が生まれます。また、溶連菌の場合は急性腎炎やリウマチ熱などの重大な合併症を防ぐため、処方された日数(通常7〜10日分)を最後まで飲み切ることが極めて重要です。

6お家でのホームケア・過ごし方のポイント

のどの痛みが強いときは、無理に普段通りの食事をする必要はありません。「脱水予防」と「のどへの刺激を減らす工夫」が最優先です。

こまめな水分補給(脱水予防)

  • チェック:おすすめ: 麦茶、経口補水液、冷ましたスープ、りんごジュース
  • チェック:避けたいもの: オレンジジュース等の柑橘類(酸味がしみる)、炭酸飲料、熱すぎる飲み物
  • チェック:一度に飲めないときは、スプーンで少しずつ口に含ませます。

のどごしの良い食事

  • チェック:おすすめ: おかゆ、くたくたに煮たうどん、豆腐、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト
  • チェック:避けたいもの: 辛いスパイス、熱いもの、硬いスナック菓子(粘膜を傷つける)
  • チェック:痛みが強い時は、先に痛み止めを飲んで効いてきたタイミングで食事を摂るとスムーズです。

部屋の環境と休養

のどの乾燥は大敵です。加湿器や濡れタオルで湿度50〜60%を保ちましょう。うがいができる年齢であれば、ぬるま湯やうがい薬でこまめにうがいをし、十分な睡眠と安静を心がけてください。

7こんなときは迷わずすぐ病院へ!

扁桃の炎症が周囲に広がり、膿が溜まる「扁桃周囲膿瘍」や呼吸困難を起こすことがあります。以下の症状がある場合は、速やかに救急外来や耳鼻咽喉科を受診してください。

すぐに受診(緊急)

  • しゃべれない、息苦しい
  • 口が開かない(指が縦に2本入らない)
  • つばが全く飲み込めず、だらだら垂れてしまう
  • 水分が一切摂れず、半日以上おしっこが出ていない

早めに再受診(目安)

  • 薬を3日以上しっかり飲んでいるのに熱が全く下がらない
  • のどの痛みが日増しに強くなっている
  • 耳の奥の強い痛みが続く
  • 全身に赤い発疹(ブツブツ)が出てきた
  • 一度下がった熱が再び急激に上がった

🌸 扁桃炎は早期に適切な診断を受け、正しくお薬を飲むことで速やかに回復します。「ただののど風邪」と我慢せず、つらい痛みや高熱があるときは早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

当院のよくある質問

  • のど・くち・くびで対応している症状を教えてください

    以下のような症状でご相談ください:のどがいたい/のどの違和感/のみこみにくい/喉が腫れている/くびが腫れている/せきがでる/ぜえぜえする/舌がいたい/舌になにかできている/味がしない/いびきがつよい/寝ている時呼吸がとまる。

  • 扁桃炎とは?

    扁桃腺が炎症を起こす疾患で、発熱・喉の痛み・嚥下困難が主な症状です。細菌やウイルス感染が原因です。治療は抗生物質・うがい薬。再発を繰り返す場合は扁桃摘出術を検討します。

  • 咽頭炎とは?

    咽頭の粘膜が炎症を起こす疾患で、喉の痛み・腫れ・発熱が見られます。ウイルスや細菌が原因で、治療は抗生物質・鎮痛剤・うがい・保湿。

  • 発熱があるのですが受診できますか?

    発熱がある方も受診いただけます。ご予約はWEBまたはお電話(050-1792-3387)で承ります。

  • 鼻カメラ(ファイバースコープ)は痛いですか?子供でも受けられますか?

    当院では鼻・喉の内視鏡検査(ファイバースコープ)を実施しております。細いスコープを使用し検査時間も短いため、ご負担は最小限です。お子様(乳幼児)にも対応しており、必要に応じて麻酔スプレーを最小限使用しながら、お子様の負担に配慮して行います。

  • 大きな病院を紹介してもらえますか?

    症状に応じて適切な医療機関へご紹介いたします。主な連携先は帝京大学ちば総合医療センター、千葉労災病院などで、症状によっては千葉大学医学部附属病院や君津中央病院などとも連携しております。手術や精密検査が必要な場合はご相談ください。

  • 新型コロナウイルスのPCR・抗原検査は受けられますか?

    新型コロナのPCR検査と、インフルエンザの検査を行っております。ご予約はWEBまたはお電話(050-1792-3387)で承ります。

  • ステロイド注射はありますか?どんな症状向けですか?

    はい、急性の難聴・喘息・重度の咽頭炎などの症状に応じて、ステロイド注射を行っております。

  • 点滴はできますか?

    はい、点滴に対応しております。扁桃炎に対する抗生剤の点滴など、症状に応じて行っております。

  • 膿栓(臭い玉)の除去はできますか?

    膿栓の除去は可能です。ただし、必要以上の除去は扁桃炎を悪化させる場合があるため、必要に応じて行っております。

  • 扁桃腺の手術は院内でできますか?

    扁桃の手術は多くが全身麻酔を要します。当院での対応は、ご来院の際にご相談ください。お電話(050-1792-3387)でのご相談も承ります。当院で対応できない場合も、大学病院など連携している医療機関をご紹介できます。

  • インフルエンザの検査はできますか?

    はい、可能です。ご予約はWEBまたはお電話(050-1792-3387)で承ります。

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院長 蔵内 隆秀

このページの内容について

蔵内医院 院長 蔵内 隆秀

日本耳鼻咽喉科学会専門医・補聴器相談医・医学博士

このページの内容は、当院の院長が確認した説明をもとにしています。

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