花粉症(スギ・ヒノキ)の時期と対策
〜花粉が飛ぶ時期・お薬を始める時期・治療の選び方〜
「毎年2月になると、くしゃみと鼻水が止まらない」「目がかゆくて、仕事や勉強に集中できない…」。そんなつらい季節を少しでも楽に過ごせるように、花粉症の基本と対策をまとめました。

1花粉症とは?
花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎と、アレルギー性結膜炎(目のアレルギー)をまとめて「花粉症」と呼びます。本来は体に害のない花粉を「敵」と勘違いして、体を守るしくみ(免疫)が過剰に反応してしまう病気です。
鼻に花粉が入ると、すぐにくしゃみと鼻水が出て、少し遅れて鼻づまりが起こります。花粉を吸い込み続けるうちに、鼻づまりが中心の状態になっていきます。お子さまの花粉症も増えています。
2関東で花粉が飛ぶ時期
日本で花粉症の原因として多いのは、スギとヒノキの花粉です。

スギ
- 飛ぶ時期の目安
- 2月上旬〜4月下旬
- 特に多い時期
- 3月ごろ
ヒノキ
- 飛ぶ時期の目安
- 3月中旬〜5月中旬
- 特に多い時期
- 3月下旬〜4月ごろ
イネ科(カモガヤなど)
- 飛ぶ時期の目安
- 5〜7月ごろ
- 特に多い時期
- ―
ブタクサ・ヨモギなど
- 飛ぶ時期の目安
- 8〜10月ごろ
- 特に多い時期
- ―
| 花粉 | 飛ぶ時期の目安 | 特に多い時期 |
|---|---|---|
| スギ | 2月上旬〜4月下旬 | 3月ごろ |
| ヒノキ | 3月中旬〜5月中旬 | 3月下旬〜4月ごろ |
| イネ科(カモガヤなど) | 5〜7月ごろ | ― |
| ブタクサ・ヨモギなど | 8〜10月ごろ | ― |
※東京都の観測による、おおよその時期です。年によって前後します。
スギ花粉は、飛び始めて7〜10日後ごろから多くなり、その後4週間ほどが多い時期です。晴れて気温が高い日、空気が乾いて風が強い日、雨の翌日は特に多く飛びます。1日のうちでは、昼前後と夕方に多くなります。
3花粉症の症状と「風邪」との見分け方
どんな症状?症状の出方や強さは、人によって、また年ごとの花粉の量によって違います。
- チェック:くしゃみが続けて何回も出る
- チェック:水のようにサラサラした鼻水が出る
- チェック:鼻がつまる
- チェック:目がかゆい、涙が出る、目が赤い
- チェック:のどのかゆみや咳、鼻づまりによる頭の重さ・だるさ
鼻水
- 花粉症
- 水のようにサラサラ
- 風邪
- 黄色っぽくなることがある
熱
- 花粉症
- 高い熱は出にくい
- 風邪
- 37.6℃以上の熱が出ることがある
症状が出る時期
- 花粉症
- 毎年、同じ花粉の季節
- 風邪
- 季節に関係なく起こる
| チェック項目 | 花粉症 | 風邪 |
|---|---|---|
| 鼻水 | 水のようにサラサラ | 黄色っぽくなることがある |
| 熱 | 高い熱は出にくい | 37.6℃以上の熱が出ることがある |
| 症状が出る時期 | 毎年、同じ花粉の季節 | 季節に関係なく起こる |
※初めて花粉症になったときは、鼻の中の様子も風邪に似ていて、検査をしないと区別がつかないことがあります。
花粉症の方が、特定の果物や野菜を食べたあと数分以内に、唇・舌・口の中・のどがかゆくなったり腫れたりすることがあります(花粉-食物アレルギー症候群)。スギ花粉症では、トマトで起こる方がいます。
4検査
★当院では、指先から1滴の採血で、41項目のアレルゲン(アレルギーの原因)を一度に調べる検査を行っています。注射器は使いません。スギ・ヒノキなどの花粉や、ダニ・ハウスダストなども調べられます。
検査をしなくても、診察を受けていただければお薬は処方できます。診察なしでお薬だけを処方することはできませんので、ご了承ください。
5治療法
症状が出る前から始める「初期療法」
花粉が飛び始める2週間ほど前から、お薬を始める方法です。スギ花粉の場合、関東では1月下旬〜2月上旬の開始が目安です。症状が軽いうちから始めると、花粉が増えても症状を抑えやすくなります。毎年症状が強い方は、早めに受診してください。
症状に合わせたお薬
くしゃみ・鼻水
- 主なお薬
- 第2世代抗ヒスタミン薬(眠くなりにくいタイプなど、いろいろな種類があります)
鼻づまり
- 主なお薬
- 点鼻ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬
鼻づまりがとても強い
- 主なお薬
- 血管収縮薬の点鼻や、ステロイドの飲み薬を短い期間(2週間をめど)使うことがあります
目のかゆみ・充血
- 主なお薬
- 抗ヒスタミン薬などの目薬
| 主な症状 | 主なお薬 |
|---|---|
| くしゃみ・鼻水 | 第2世代抗ヒスタミン薬(眠くなりにくいタイプなど、いろいろな種類があります) |
| 鼻づまり | 点鼻ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬 |
| 鼻づまりがとても強い | 血管収縮薬の点鼻や、ステロイドの飲み薬を短い期間(2週間をめど)使うことがあります |
| 目のかゆみ・充血 | 抗ヒスタミン薬などの目薬 |
※眠気の少ないとされるお薬でも、眠気を感じる方がいます。車を運転される方は、受診のときにお伝えください。目の症状が強いときは、眼科の受診もおすすめします。
重症のときの注射(ゾレア)
ふだんのお薬で十分に良くならない、重症のスギ花粉症などには、抗IgE抗体(オマリズマブ)の注射を、ふだんの治療に上乗せして使うことがあります。
★当院でも、ゾレア(オマリズマブ)の注射を行っています。紹介状は要りません。
舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)
スギ花粉のエキスを含むお薬を毎日舌の下に置いて、花粉に反応しにくい体質をめざす治療です。年単位で続ける治療で、主に自宅で行います。スギ花粉の舌下免疫療法は、花粉が飛んでいない時期(一般的に6月〜12月ごろ)に始めます。花粉の季節に入ってからは始められません。
レーザー治療
鼻の粘膜を焼いて鼻づまりをやわらげる方法もあります。
★当院での対応は、ご来院の際にご相談ください。お電話(050-1792-3387)でのご相談も承ります。当院で対応できない場合も、連携している医療機関をご紹介できます。
6お家でできるケアと受診のポイント
花粉を体に入れない工夫
- チェック:外出時は花粉症用のマスクやメガネを使う。花粉の季節は、コンタクトレンズよりメガネがおすすめです。
- チェック:毛足の長い上着は避け、つるつるした素材を選ぶ。帰宅時は玄関の外で花粉を払う。
- チェック:帰宅後はうがいと洗顔。髪にも花粉が付くので、毎日のシャンプーも役立ちます。
- チェック:洗濯物や布団は外に干さない。換気は窓を10cmほど開け、レースのカーテン越しにする。
- チェック:よく眠り、お酒やたばこを控えて、鼻の粘膜を守る
こんなときは耳鼻咽喉科を受診
- 毎年つらい症状が出る(花粉が飛ぶ前に受診すると、初期療法を始められます)
- 市販薬で症状が治まらない、お薬の眠気で仕事・勉強・運転に困る
- 鼻づまりで眠れない、目の症状が強い
- お子さまが目や鼻をこする、口を開けて寝ている
- 舌下免疫療法を考えている
すぐに救急車を呼ぶ症状
果物などを食べたあとに唇やのどが腫れて息苦しい、ゼーゼーする、全身にじんましんが出てぐったりしている、といったときは、アナフィラキシー(急で強いアレルギー反応)のおそれがあります。ためらわずに救急車を呼んでください。
毎年の花粉の季節がつらいときは、症状が出る前に、早めにご相談ください。
当院のよくある質問
アレルギー検査について教えてください
当院では41項目のアレルゲンを同時に調べることができます。検査は問診→採血(指先から1滴、注射器不要)→測定(最短30分)→結果報告・診断の流れで行います。検査をご希望の方はご相談ください。
アレルギー検査の項目(吸入系・その他)を教えてください
吸入・その他19項目を検査できます:【ダニ・ホコリ】ヤケヒョウダニ/コナヒョウダニ/ハウスダスト 【動物】ネコ/イヌ 【昆虫】ゴキブリ/ガ 【樹木花粉】スギ/ヒノキ/ハンノキ/シラカンバ 【イネ科花粉】カモガヤ/オオアワガエリ 【キク科花粉】ブタクサ/ヨモギ 【真菌】アルテルナリア/アスペルギルス/カンジダ 【その他】ラテックス。
舌下免疫療法(花粉症の根治療法)は受けられますか?
はい、当院ではスギ花粉症の舌下免疫療法(シダキュア)、ダニアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法(ミティキュア・アシテア)を実施しております。お気軽にご相談ください。電話:050-1792-3387
アレルギー検査はできますか?
はい、当院では41項目のアレルゲンを同時に調べられるアレルギー検査を実施しています。採血は指先から1滴のみで、注射器不要。最短30分で結果が出ます。
舌下免疫療法はいつから始められますか?
スギ花粉の舌下免疫療法は、花粉の飛散していない時期(一般的には6月〜12月頃)に開始します。ダニアレルギーは通年で開始可能です。ご相談ください。
花粉症の薬はいつから飲み始めるべきですか?
花粉飛散開始の2週間前から服用を始める「初期療法」が推奨されています。スギ花粉の場合、関東では1月下旬〜2月上旬の開始が目安です。早めの受診をお勧めします。
ゾレア注射(重症花粉症向け)はできますか?
はい、重症花粉症に対するゾレア(オマリズマブ)注射を当院で実施しております。紹介状は不要です。お気軽にご相談ください。
花粉症のレーザー治療はできますか?
花粉症のレーザー治療の当院での対応は、ご来院の際にご相談ください。お電話(050-1792-3387)でのご相談も承ります。当院で対応できない場合も、大学病院など連携している医療機関をご紹介できます。
花粉症は検査をしなくても薬を処方してもらえますか?
診察を受けていただければ、アレルギー検査なしでもお薬の処方は可能です。なお、診察なしでお薬のみの処方はできませんので、ご了承ください。
アレルギー性結膜炎の診察や目薬の処方は可能ですか?
診察・目薬の処方は可能です。ただし、症状が強い場合は眼科の受診をおすすめします。
参考にした資料
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル 2022」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 厚生労働省 大久保公裕監修「的確な花粉症の治療のために(第2版)」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 日本アレルギー学会監修 アレルギーポータル「花粉症」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 東京都保健医療局 東京都アレルギー情報navi.「花粉の種類と説明」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 黒野祐一「ガイドラインのワンポイント解説 鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版 抗ヒスタミン薬使用のポイント」アレルギー 65(8), 2016(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 大久保公裕「鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症― 2024年版」ラジオNIKKEI 薬学の時間 2025年5月1日放送(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 東京都健康安全研究センター「2024年春 スギ・ヒノキ花粉飛散状況のまとめ」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 日本アレルギー学会監修 アレルギーポータル「アナフィラキシー」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)

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