耳鳴り
〜原因・受診の目安・治療と付き合い方〜
「静かな部屋にいると、キーンという音が気になって眠れない」「片方の耳だけ、ジーと鳴っている」。耳鳴りはとても身近な症状ですが、中には早めに調べたほうがよい耳鳴りもあります。耳鳴りについて、分かりやすくまとめました。

1耳鳴り(みみなり)とは?
耳鳴りは、まわりに音がないのに、耳や頭の中で音を感じる状態です。「キーン」「ジー」「ザー」など、聞こえ方は人によってさまざまです。耳鳴りを感じる人は、人口の10〜15%といわれています。そのうち、生活に支障が出るほどの耳鳴りは2〜3%とされています。
耳鳴りの2つのタイプ
- チェック:自覚的耳鳴(じかくてきじめい):本人にだけ聞こえる耳鳴り。ほとんどがこのタイプです。
- チェック:他覚的耳鳴(たかくてきじめい):血管や筋肉の動きなど、体の中に音の元があり、ほかの人にも聞こえることがある耳鳴り。まれです。
2耳鳴りの原因
耳鳴りの多くは、聞こえの低下(難聴)と関係しています。耳鳴りのある人の約9割に、何らかの難聴があるとされています。耳鳴りには、脳の働きも関わっていると考えられています。
聞こえの低下を伴うもの
- 主な原因
- 年齢による難聴、長く騒音を聞くことによる難聴、大きな音による急な難聴(音響外傷)、突発性難聴、メニエール病など
耳の通り道の病気
- 主な原因
- 耳あか、中耳炎、耳と鼻をつなぐ管(耳管:じかん)の不調
脈と同じリズムの耳鳴り(拍動性:はくどうせい)
- 主な原因
- 血管の病気などが原因のことがある
| 種類 | 主な原因 |
|---|---|
| 聞こえの低下を伴うもの | 年齢による難聴、長く騒音を聞くことによる難聴、大きな音による急な難聴(音響外傷)、突発性難聴、メニエール病など |
| 耳の通り道の病気 | 耳あか、中耳炎、耳と鼻をつなぐ管(耳管:じかん)の不調 |
| 脈と同じリズムの耳鳴り(拍動性:はくどうせい) | 血管の病気などが原因のことがある |
※難聴が見つからない耳鳴りもあります。※不安や不眠、気分の落ち込みは、耳鳴りをつらく感じさせたり、長引かせたりすることがあるとされています。
3早めに受診したい耳鳴り

① 急に始まり、聞こえにくさを伴うすぐに受診
どんな状態?突発性難聴など、急な難聴の可能性があります。早めの治療が勧められています。
- 急に耳鳴りが始まり、聞こえにくさや耳がつまった感じもある
- めまいを伴う
② 片方の耳だけ一度受診
どんな状態?片方だけの耳鳴りは、医師が注意して調べる症状の一つです。
- 片耳だけ耳鳴りが続く
③ 脈と同じリズム一度受診
どんな状態?血管の病気などが原因のことがあります。原因を調べるために、画像検査が役立つことがあります。
- 心臓の拍動に合わせて「ザッザッ」と聞こえる
4耳鼻咽喉科での検査と治療
主な検査
- 耳の中の診察:耳あかや中耳炎など、耳鳴りの原因になる病気がないかを確認します。
- 聴力検査:難聴があるか、どのくらいかを調べます。自分では気づいていない聞こえの低下が見つかることもあります。
- 耳鳴りの検査・質問票:耳鳴りの音の高さや大きさ、生活への影響を調べます。
- 画像検査(MRIなど):脈と同じリズムの耳鳴りや、片側の難聴を伴うときなどに行います。
★当院では聴力検査を行っています。そのほかの検査の内容は、ご来院の際にご相談ください。お電話(050-1792-3387)でのご相談も承ります。当院で対応できない検査も、大学病院など連携している医療機関をご紹介できます。
主な治療
原因となる病気(耳あか、中耳炎、突発性難聴など)が見つかれば、その治療を行います。3か月以上続く耳鳴りについては、診療ガイドラインで次のような考え方が示されています。
耳鳴りの仕組みを知る(カウンセリング)
- 内容
- 耳鳴りが起こる仕組みを理解することで、耳鳴りが楽になる効果があるとされています。
補聴器
- 内容
- 難聴がある耳鳴りには、補聴器が強く勧められています。
音を使った治療(TRT:耳鳴り再訓練療法など)
- 内容
- 耳鳴りを消すのではなく、耳鳴りに慣れることを目指す治療です。
心理療法(認知行動療法)
- 内容
- 耳鳴りの受け止め方に働きかけ、生活の質の改善を目指します。
薬
- 内容
- 内耳循環改善薬などの薬を使うことがあります。不眠や不安をやわらげる薬が役立つこともあります。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| 耳鳴りの仕組みを知る(カウンセリング) | 耳鳴りが起こる仕組みを理解することで、耳鳴りが楽になる効果があるとされています。 |
| 補聴器 | 難聴がある耳鳴りには、補聴器が強く勧められています。 |
| 音を使った治療(TRT:耳鳴り再訓練療法など) | 耳鳴りを消すのではなく、耳鳴りに慣れることを目指す治療です。 |
| 心理療法(認知行動療法) | 耳鳴りの受け止め方に働きかけ、生活の質の改善を目指します。 |
| 薬 | 内耳循環改善薬などの薬を使うことがあります。不眠や不安をやわらげる薬が役立つこともあります。 |
※耳鳴りの大きさを確実に小さくできる治療法は、まだ確立していません。ただ、耳鳴りそのものが変わらなくても、治療によって生活の困りごとが軽くなることがあるとされています。
★当院では、毎週水曜日に予約制で補聴器のご相談・調整を行っています。そのほかの治療は、ご来院の際にご相談ください。お電話(050-1792-3387)でのご相談も承ります。当院で対応できない場合も、連携している医療機関をご紹介できます。
5お家でできるケアと受診のポイント
夜、耳鳴りが気になるとき
- チェック:静かすぎる環境を避ける:テレビやラジオ、音楽などで、まわりの音を少し豊かにする方法が紹介されています。
- チェック:眠れない・気分が落ち込むときも相談を:不眠や不安は、耳鳴りをつらくすることがあります。
耳を守る習慣
- チェック:ヘッドホン・イヤホンは音量を下げ、休憩をはさみましょう。
- チェック:大きな音を長く聞いたあとの耳鳴りや耳のつまった感じは、騒音による難聴のサインのことがあります。
すぐに救急車を呼ぶ症状
耳鳴りやめまいに加えて、意識がもうろうとする・手足のしびれ・激しい頭痛を伴うときは、脳の病気の可能性があります。ご自身で来院せず、救急車を呼んでください。
耳鳴りが続いて気になるとき、聞こえにくさを伴うときは、早めにご相談ください。
当院のよくある質問
耳・めまいで対応している症状を教えてください
以下のような症状でご相談ください:耳が痛い/耳がかゆい/きこえにくい/耳がつまった感じ/音が響く/耳鳴りがする/耳がはれている/耳の下がはれている/耳あかをとってほしい/めまいがする。
めまい症・メニエール病とは?
めまい症は耳や脳の異常で平衡感覚が乱れる疾患です。メニエール病は内耳のリンパ液の異常でめまい・耳鳴り・難聴が反復する病気です。治療は抗めまい薬・利尿薬・内耳循環改善薬・リハビリ療法など、ストレス管理も重要です。
突発性難聴とは?
突然片耳が聞こえなくなる疾患で、耳鳴りやめまいを伴うことがあります。原因は明らかでないことが多く、ステロイド薬や高気圧酸素療法が行われます。早期治療が重要です。
音響外傷とは?
大きな音にさらされることで急性の難聴や耳鳴りが生じる疾患です。コンサートや工事現場などの環境で発症します。治療はステロイド内服や高気圧酸素療法。
耳鳴症とは?
耳の中で常に音が聞こえる状態で、ストレスや加齢が影響することがあります。治療は心理療法・内耳循環改善薬の使用、場合により補聴器の使用。
急に片耳が聞こえなくなりました。すぐ受診すべきですか?
突発性難聴の可能性があります。発症から1週間以内の治療開始が予後を大きく左右するため、できるだけ早く(できれば当日〜翌日)耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。診療時間内であればお電話でご相談ください。電話:050-1792-3387
ぐるぐる回るめまいで動けません。受診できますか?
めまいの診察を当院で行っています。ただし、意識が朦朧とする・手足のしびれ・激しい頭痛を伴う場合は脳の病気の可能性があるため、ご自身で来院せず救急車を要請してください。それ以外の場合はお電話でご相談ください。電話:050-1792-3387
聴力検査は受けられますか?
はい、聴力検査・通気検査などを実施しております。事前予約は不要ですが、遅い時間帯は検査が難しい場合がございますので、お早めにお越しください。WEB問診をご利用の際は、その旨ご記入ください。WEB予約:https://medical.apokul.jp/web/688/reservations/add(新しいタブで開きます)
大きな病院を紹介してもらえますか?
症状に応じて適切な医療機関へご紹介いたします。主な連携先は帝京大学ちば総合医療センター、千葉労災病院などで、症状によっては千葉大学医学部附属病院や君津中央病院などとも連携しております。手術や精密検査が必要な場合はご相談ください。
補聴器の相談はできますか?
補聴器のご相談・調整に対応しております。新規の方も承っており、毎週水曜日に予約制で実施しておりますので、お電話にてお問い合わせください。取扱メーカーはリオン・まきちえを中心に、その他のメーカーも対応可能です。公的な補聴器購入費補助制度にも対応しておりますので、まずは受診のうえご相談ください。電話:050-1792-3387
難聴かどうか調べたいです
聴力検査で詳しく調べることができます。お気軽にご相談ください。WEB予約:https://medical.apokul.jp/web/688/reservations/add(新しいタブで開きます)
参考にした資料
- 日本聴覚医学会 編「耳鳴診療ガイドライン2019年版」(金原出版、Web 公開版 PDF)(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認。序論、慢性耳鳴の定義、診断アルゴリズム、拍動性耳鳴、CQ1〜10を参照)
- MSD マニュアル プロフェッショナル版「耳鳴」(最終更新2025年1月)(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS「難聴、耳鳴り」(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)
- 日本聴覚医学会 編「急性感音難聴診療の手引き2018年版」(Web 公開版 PDF)(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認。CQ1-16早期治療)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について」堀井新(新潟大学 耳鼻咽喉科)、最終更新2024年11月11日(新しいタブで開きます)(2026-10-03 確認)

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